解✦談

解りやすく、解きほぐします。

間違って優勝してこそ中日

中日が開幕から5戦で、早くも3回目の完封負けを喫しました。
これで1勝4敗。ネット上では多くのファンが怒りの声を浴びせています。

この時点で騒ぐのは、ちょっと気が早いようにも思いますが、
球団として最弱の期間がすでに10年も続いているので、
「今年もまたダメなのか」という落胆が怒りを呼ぶのでしょう。

私はいま怒ってもいないし、呆れてもいません。
その理由は、中日の現状に対する世間の評価があまりに低いからです。

ちまたで言われているのは、たとえば、こんな指摘です。

--球団には相変わらず、本気で優勝を狙えるチームづくりをする気がない。
--監督およびコーチ陣には、確固たる戦略も戦術もないから、1試合ごとに
  場当たりで成り行き任せの選手起用になる。
--自前で打てる野手を育てられないから、外国人に頼ろうとしている。

どの指摘もおおむね、その通りだと思います。
しかし、だとしたら開幕から1勝4敗ぐらいの戦績は、普通にあり得ることです。

私はなにも、最初から今シーズンを諦めているわけではありません。
世間の評価がメチャクチャ低いなかで、それでも間違って優勝してしまうのが、
私の望む中日ドラゴンズの姿だからです。

優秀な指導者やスカウトが揃い、球団としてのバックアップ体制も強固で、
最近流行りのデータ活用にも積極的に取り組み、実際に有望な若手が次々と
育っていて、誰が見ても戦力的に層が厚いと思えるようなチームなら、
優勝を期待するのは当然です。

でも、そんな完全主義のチームに、私はそれほどの魅力は感じません。

中日の歴史上、唯一といえる黄金時代を築いた落合監督の8年間が、
常勝チームだったにもかかわらず退屈だったのは、そのせいです。

さすがに幼稚園野球やサラリーマン野球は勘弁してほしいけれど、
せめてハチャメチャ野球で世間の低評価の鼻を明かしてほしい。
そのための起爆剤として、細川とブライト、龍空に期待しています。