投資って、何をやること?
シンプルな意味は2つ
金融関係の書籍や記事で、こんな表現を目にすることがあります。
●投資とは自分のお金を経済に参加させて、お金にも働いてもらうことである。
●投資を通じて私たちのお金が「社会にとって必要な企業」に回っていけば、
結果として私たちは、よりよい社会をつくるのに貢献することができる。
なんだか格好良い表現ですが、「これが投資の意味だよ」といわれると、
分かったような分からないような、なんとも微妙な感覚におちいります。
投資にそういう側面があることは事実です。
でも、これらは投資の意味というよりは、投資をやることによって
間接的に生じる投資の意義にあたるものではないでしょうか。
あるいは、投資について人びとが抱くネガティブなイメージを払拭するために、
「美化したい」という意識が働いているのではないでしょうか。
私たちにとって投資の意味は、もっとシンプルなはずです。
私たちが買いやすい金融商品として、株式や債券、投資信託などがあります。
これらは価格が毎日のように動いているので、それぞれ価格が安いときに買って、
高くなってから売れば、私たちは差額分の儲け(利益)を手にすることができます。
そのようにしてお金を増やすことをめざすのが、投資のひとつの意味です。
投資の意味(1):金融商品を安く買って高く売ることで、差額分の利益を狙う
私たちが金融商品を買うと、売らずに持っているだけで利益が手に入ることも
あります。債券の「金利収入」が、その代表例です。
すべてではありませんが、株式や投資信託も売らずに持っているだけで、
「配当」や「分配金」という利益が手に入る場合があります。
そのような利益を見込んで金融商品にお金を投じることも、投資のひとつの意味です。
投資の意味(2):持っているだけで手に入る利益を見込んで、金融商品を買う
利益を期待しないと始められない
私たちが投資をやると、いつでも利益が手に入るわけではありません。
たとえば、Aさんが3年前に株式を買ったとしましょう。いま、どうしても
お金が必要になったため、Aさんは株式を売って換金することにしました。
いまの株価が3年前の買ったときより下がっていたら、差額分だけ損失が
出ることになります。
株式を持っていた3年間に、Aさんは配当として、いくらかの利益を得ていましたが、
株価がけっこう下がったために、差し引きすると、その配当の利益を入れても
トータルでは損失が出てしまいました。
現実にそんなことは、しばしば起こります。投資は本来、利益をめざして
やることですが、結果として損失を被ることもあるわけです。
こうしてみると、最終的に利益が出るか損失を被るか分からないけれども、
とにかく利益が出ることを期待して、金融商品にお金を投じてみることが、
私たちにとっての「投資の本質」といえそうです。
投資の本質:とにかく利益が出ることを期待して、金融商品を買ってみる
あれこれ言ってみたところで、とにかく利益を期待しないかぎり
投資は始められないし、金融商品を買わないかぎり投資は始まりません。
逆に、そういう気持ちになれない人は、投資に向かないのだと思います。